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AI検索エンジンとは何を指すか
質問を投げると、リンクの一覧ではなく文章で答えを返すしくみの総称です。はっきりした定義があるわけではなく、呼び方も生成AI検索・AI検索と揺れています。
実態としては、性質の違う3つが同じ名前で呼ばれています。
質問すると、その場でWebを検索して答えをまとめます。検索したかどうかは回答に表示されることもあれば、されないこともあります。
例:ChatGPT/Claude/Gemini
検索するといつもの結果の上に、AIがまとめた文章が表示されます。利用者は「AIを使った」とは思っていません。
例:GoogleのAIによる概要(AI Overviews)
最初からWeb検索を前提に設計されており、回答に出典が並ぶのが基本です。
例:Perplexity など
相談する側は、この違いを意識していません。「ChatGPTに聞いた」「検索したらAIが答えた」という感覚です。どれを使うかは、こちらでは選べません。
なお、この記事で紹介する計測データは1つ目のグループ(ChatGPT・Claude・Gemini)のものです。私たちが毎週計測しているのがこの3つのためで、PerplexityやAIによる概要は対象に含めていません。
どのくらい使われているか
調査によって数字に幅がありますが、どれも「3人に1人以上」という水準です。
生成AIを利用している10代では62.6%。博報堂DYホールディングス「AIと暮らす未来の生活調査2025」(2025年11月発表)
生成AIサービスの利用率利用者は3,553万人。ICT総研「生成AIサービス利用動向に関する調査」(2026年2月)
2029年末の利用者見込み同じくICT総研による推計
数字が割れているのは、調査時期と「利用している」の定義が違うためです。ただ、どちらの調査でもすでに相当数の人が使っていることは一致しています。10代の6割超という数字は、数年後の前提が変わることを示しています。
つまり、自社の名前がAI検索エンジンの回答にどう出るかは、すでに確認する価値のある話になっています。
検索結果の代わりに、文章が返ってくる
検索エンジンとの違いは、返ってくるものの形です。
検索結果は10件前後のリンクが並び、どれを開くかは利用者が決めます。AI検索エンジンは数件の名前を挙げて、短い説明を添えます。3社しか挙げないことも、1社も具体名を出さないこともあります。
そして、挙がった名前に出典が付くとは限りません。ここがAI検索エンジンごとに大きく違う点で、次の章から実際の数字を見ていきます。
なお、自社が回答に出てこない場合の原因は「ChatGPTに自社が出てこない4つの理由」に、AIが答えを作るまでの流れは「LLMOとは」にまとめています。
同じ質問でも、挙がる会社の数が違う
ある地域の不動産会社について、10種類の質問を3つのAIに投げました。同じ質問、同じ日、Web検索を有効にした同じ条件です。
| AI検索エンジン | 挙がった会社数 |
|---|---|
| Gemini | 64社 |
| ChatGPT | 42社 |
| Claude | 29社 |
Geminiは多くの会社を並べ、Claudeは絞って答えます。倍以上の差です。
そして、3つすべてに挙がった会社は2社だけでした。別の業種でも同じ傾向で、都内の美容クリニック92院では3つに共通して挙がった院は0院、税理士事務所134件では3件です。
名前が重ならないということは、AI検索エンジンごとに別のランキングが存在しているのと変わりません。
出典の付け方は、エンジンごとに別
もっと差が出たのが、挙げた会社にリンクを添えるかどうかです。先ほどと同じ不動産の計測で数えました。
| AI検索エンジン | 会社を挙げた数 | URLを添えた数 | 割合 |
|---|---|---|---|
| ChatGPT | 47 | 47 | 100% |
| Claude | 32 | 15 | 47% |
| Gemini | 72 | 6 | 8% |
ChatGPTはすべてにリンクを添え、Geminiはほとんど添えません。Geminiで名前が挙がっても、相談者がその会社のサイトに移動する経路が、回答の中にないということです。
リンク先の種類も違いました。ChatGPTが添えた47件のうち28件はGoogleマップです。ClaudeとGeminiは、Googleマップに一度もリンクしていません。業種ごとのリンク先の違いは450件を分類した記事にまとめています。
AI検索対策の一歩目に、分析から改善提案まで
AGEO-SCOPEは、ChatGPT・Claude・Geminiそれぞれでの見え方を毎週記録し、AIが読んでいたサイトまで残します。どのエンジンで、どの質問で止まっているのかを切り分けたうえで、次に手を入れる場所を根拠つきで提案します。
読んでいるサイトも重ならない
挙がる会社も出典の付け方も違うなら、そもそも読んでいる資料が違うのではないか。調べると、そのとおりでした。
ある税理士事務所を7週間計測したときの、参照元の例です。
- ある税理士紹介サイト:Claudeが14回参照、ChatGPTが2回、Geminiは0回
- ある会計事務所のコラム:ClaudeとGeminiが10回以上参照、ChatGPTは0回
- ある事務所の公式サイト:ChatGPTが7回参照、他の2つは0回
同じ質問に答えているのに、手元に置いている資料が別です。答えが違うのは当然ということになります。
1つだけ見ると、逆の結論になる
ここまでを踏まえると、実務上いちばん注意すべき点が出てきます。
先ほどの税理士事務所を7週間、延べ120回追った結果です。
| AI検索エンジン | 計測 | 名前が挙がった回数 | 割合 |
|---|---|---|---|
| Gemini | 40回 | 18回 | 45.0% |
| Claude | 40回 | 7回 | 17.5% |
| ChatGPT | 40回 | 0回 | 0% |
同じ事務所です。Geminiで見れば2回に1回近く挙がっており、順調に見えます。ChatGPTで見れば、7週間一度も存在していません。
どちらを開いたかで、正反対の結論が出ます。この事務所の詳しい分析は7週間の定点観測の記事に書きました。
AI検索エンジンに載るために
最後に、ここから何をするかです。AI検索エンジンの回答に自社が挙がるようにする取り組みは、LLMO対策・GEO対策・AIO対策などと呼ばれます。呼び方は違っても中身は同じものを指します。
入口になる3つだけ挙げておきます。
- AIクローラーをブロックしていないか確認する。読まれていなければ、どのエンジンにも載りません。
- お客様が使う言葉で質問を作る。業界の言い方と、相談する人の言い方は違います。
- 3つのエンジンで、複数回測る。1つ、1回では判断できないことは、ここまで見てきたとおりです。
進め方の全体像は「LLMO対策、最初にやるのはサイト修正ではなかった」に5つの手順としてまとめています。用語そのものを整理したい場合は「LLMOとは」、計測ツールを比べる場合は「LLMO対策ツールの選び方」が近い内容です。
参考にした資料
博報堂DYホールディングス Human-Centered AI Institute「AIと暮らす未来の生活調査2025」(2025年11月発表)
ICT総研「2026年2月 生成AIサービス利用動向に関する調査」
AGEO-SCOPE実測(2026年7〜10月、ChatGPT・Claude・Gemini、Web検索を有効化。不動産10問×3AI/美容クリニック・税理士の業種別計測/ある税理士事務所の7週間・延べ120回の定点観測)
よくある質問
AI検索エンジンとは何ですか?
質問を投げると、リンクの一覧ではなく文章で答えを返すしくみのことです。大きく3種類あります。ChatGPT・Claude・GeminiのようにWeb検索機能を持った対話型AI、GoogleのAIによる概要のように検索結果の中に組み込まれたもの、Perplexityのように検索を目的に作られたサービスです。
AI検索エンジンと検索エンジンは何が違いますか?
返ってくるものが違います。検索エンジンは10件前後のリンクを並べますが、AI検索エンジンは数件の名前を挙げて短い説明を添えます。出典が付かないこともあります。実際にある業種で計測したところ、会社名にURLが添えられた割合はChatGPTで100%、Geminiでは8%でした。
AI検索エンジンは、どれを見ればいいですか?
1つに絞らないことをおすすめします。ある税理士事務所を7週間追ったところ、Geminiでは45%の確率で名前が挙がる一方、ChatGPTでは40回中0回でした。1つだけを見ると、正反対の結論になります。
AI検索エンジンは、どのくらい使われていますか?
調査によって幅がありますが、少なくとも3人に1人以上です。博報堂DYホールディングスの調査では生成AIを利用しているのは33.6%、10代では62.6%。ICT総研の調査では利用率54.7%、利用者は3,553万人とされています。