目次
LLMO対策とは
LLMO(Large Language Model Optimization)対策とは、ChatGPT・Claude・GeminiなどのAIに質問されたとき、回答の中で自社の名前が挙がり、正しく紹介されるようにするための取り組みです。
GEO(Generative Engine Optimization)、AIO(AI Optimization)、AEO(Answer Engine Optimization)も、ほぼ同じ領域を指す言葉です。呼び方は違っても、「AIの回答に選ばれるかどうか」を扱う点は変わりません。
SEOとの違い
SEOは検索結果の「何位に表示されるか」を扱います。LLMOで問われるのは、AIが文章で答えるときに名前が挙がるか、挙がらないかです。AIの回答には10件の青いリンクのような決まった枠がなく、3社しか挙げないこともあれば、1社も具体名を出さないこともあります。
そしてもう一つ、SEOと大きく違う点があります。次の見出しで説明します。
私たち自身の話
AGEO-SCOPEのサイトは、当初「GEO / AIO対策ツール」と名乗っていました。ところがキーワードを調べると、月間検索数は「LLMO」系が合計8,600、「GEO」系は約500。市場が使っている言葉はLLMOで、その差は17倍でした。お客様と違う言葉を使っていると見つけてもらえない。これは手順2で扱う話そのものです。
出典:ラッコキーワード(2026年9月時点の月間検索数)
始める前に:AIの回答は毎回変わる
ChatGPTに自社の業種を聞いてみて、自社が出てきた。あるいは出てこなかった。その1回の結果で判断するのは危険です。
計測メモ|恵比寿のパーソナルジム(30回計測)
同じ質問を2回投げたとき、回答に挙がった店の顔ぶれが一致したのは43〜76%。1位と13位を行き来した店もありました。
つまり「1回聞いて出なかったから対策が必要」「1回出たから大丈夫」は、どちらも根拠になりません。LLMO対策は、何回聞いたうちの何回挙がったかという割合で考える必要があります。この前提が、以下の5つの手順すべてに関わってきます。
自社が何回中何回挙がっているか、毎週まとめて見られます
AGEO-SCOPEは、3つのAIに同じ質問を毎週投げて言及率を記録するツールです。計測の仕組みと画面を資料にまとめています。
LLMO対策の進め方 5つの手順
ここからが本題です。順番には意味があります。前の手順を飛ばすと、後の手順の結果が読めなくなります。
AIクローラーを止めていないか確認する
AIがWeb検索で情報を集めるとき、GPTBotやClaudeBotといったクローラーがサイトを読みに来ます。これを弾いていると、どれだけ文章を整えても読まれません。
「うちは何も設定していないから大丈夫」と思うかもしれません。私たちもそう思っていました。
失敗談|AI検索対策ツールの会社が、AIを締め出していた
AGEO-SCOPEのサイトは、CloudflareでClaudeBotやGPTBotをブロックしていました。気づいたときには、Claude-SearchBotが24時間で13回アクセスし、13回とも失敗していました。自分で設定した覚えはありませんでした。
Cloudflareを使っている場合、確認すべき設定は2か所あります。
- 「AIボットをブロック」の設定
- 「セキュリティ」→「ボットトラフィック」→「robots.txtを管理」の設定(3つの選択肢から選ぶ形式)
片方を切っても、もう片方が有効なら解決しません。画面の奥にあるため、存在自体に気づきにくい設定です。管理画面の表記は変わることがあるので、見つからない場合はCloudflareのヘルプで「AI bot」「robots.txt」を検索してください。
robots.txtは、少なくともAIクローラーを拒否する記述がないことを確認します。AGEO-SCOPEの現在の設定はこれだけです。
User-agent: * Allow: / Sitemap: https://ageo-scope.com/sitemap.xml
お客様が使う言葉で質問を決める
LLMO対策で最も結果を左右するのが、この手順です。どんな言葉で聞かれるかによって、AIが挙げる会社はまったく変わります。
計測メモ|3文字足しただけで消えた
「採用代行」で聞くと3つのAIのうち2つで挙がっていた会社が、「採用代行(RPO)」と3文字足して聞くと、3つのAIのどれにも挙がらなくなりました。
聞き方を変えると、回答に占める大手の割合が変わる
銀座のジムエリア名だけで聞く
銀座のジム「新橋・40代・仕事帰り」と条件をつける
人材業界「転職エージェント」で聞く
人材業界「採用代行」で聞く
中小の会社にとって、これは希望のある結果です。広い言葉では大手が並びますが、具体的な悩みや条件で聞かれたときには、専門性のある会社が挙がる余地が大きくなります。
逆に、言葉がずれていると計測自体が意味をなさなくなります。
計測メモ|BtoB SaaS
「システム」とだけ聞いた場合、AIが挙げた44件のうち42件は、想定していたのと別カテゴリの製品(勤怠管理・経費精算・営業支援など)でした。
質問を決めるときの3つの確認
- 社内の言葉ではなく、お客様の言葉か。問い合わせメールや商談で、お客様が最初に口にした言葉を拾います。
- サービス名ではなく、悩みや状況で書いているか。「〇〇に強い」「〇〇で困っている」の形にすると、実際の相談に近づきます。
- エリアや条件が入っているか。地域の商売なら地名、BtoBならカテゴリ名を必ず入れます。
3つのAIで、複数回測る
質問が決まったら、現状を測ります。ポイントは、ChatGPTだけで判断しないことです。AIごとに回答はまったく違います。
エンジニア採用に強い人材紹介会社をたずねた結果
3つのAIすべてに挙がった会社 0社
ChatGPTとClaudeの間でも、重なった会社は1社もありませんでした。ほかの業種でも同じ傾向です。
| 計測した業種 | 3つのAIの結果 |
|---|---|
| 都内の美容クリニック | ChatGPT 8件・Claude 4件・Gemini 12件で、共通は0件 |
| 世田谷区の不動産会社 | 3つのAIすべてに挙がったのは1社だけ |
| 渋谷区の税理士事務所 | Geminiでは上位なのに、ChatGPTには一度も挙がらない事務所があった |
ChatGPTで出ていなくてもGeminiでは挙がっている、ということは珍しくありません。1つのAIだけを見て「出ていない」と結論づけると、すでに取れている場所を見落とします。
なお、BtoB SaaSは例外的で、カテゴリ名を含めて聞くと3つのAIに共通して挙がる製品が3製品ありました。業種によって「AI同士の意見が揃いやすいか」が違うため、自社の業種で実際に確かめる必要があります。
測り方の目安
- ChatGPT・Claude・Geminiの3つで、同じ質問を使う
- Web検索を有効にした状態で聞く(実際の相談者と同じ条件)
- 1回で判断せず、日を変えて何度か聞き、「何回中何回」で記録する
- 自社だけでなく、回答に挙がった他社の名前もすべて控える
上位の会社が「何と書かれているか」を調べる
ここで初めて、サイトに何を書くかの材料が揃います。見るのは2つです。AIが紹介文でどんな言葉を使っているかと、AIがどのサイトを読んで答えているかです。
AIが紹介に使っている言葉
AIは回答で、各社の特徴を短い言葉で説明します。その言葉を数えると、業種ごとに「効いている言葉」が見えてきます。
| 業種 | AIの回答に出てきた言葉 |
|---|---|
| 恵比寿のジム | 完全個室 47回/女性専用 33回/実績 3回 |
| 銀座のジム | 食事指導 17回/手ぶらOK 1回(恵比寿では22回) |
| 税理士 | 「相続税申告 年間〇件」のような実績の数字 |
| 採用代行 | 「支援実績〇社」「リピート率〇%」「年間〇人」のような数字 |
同じパーソナルジムでも、恵比寿では「手ぶらOK」が22回挙がり、銀座では1回だけでした。「ジムならこの言葉」という正解はなく、エリアや客層によって変わります。一般的なLLMO対策の解説に載っている言葉をそのまま使うのではなく、自社の質問で実際に挙がっている言葉を拾ってください。
そのうえで、上位の会社には書いてあって自社サイトにない情報を探します。士業やBtoBなら、件数・社数・継続率といった具体的な数字が書かれているかは、まず確認したい点です。
AIが読んでいるサイト
AIは自社サイトだけを読んでいるわけではありません。むしろ、自社サイトがまったく参照されていないこともあります。
失敗談|自社サイトは一度も参照されていなかった
AI検索ツールの領域でAIが回答を作るときに読んでいたのは、「GEO対策ツールおすすめ17選」(7回)、PR TIMES(6回)、「LLMO対策会社おすすめ17社比較」(4回)といった比較記事やプレスリリースでした。AGEO-SCOPEのサイトは一度も参照されておらず、当時の言及率8%の根本原因はここにありました。
参照先の傾向もAIによって違います。パーソナルジムの計測では、ChatGPTはGoogleマップ、Claudeはホットペッパー、Geminiはまとめ記事を読む傾向がありました。
自社サイトの文章を直すことだけがLLMO対策ではありません。AIが読んでいる比較記事・口コミサイト・プレスリリースに、自社の正しい情報が載っているかも、同じくらい重要な確認点です。
直したら、同じ条件で測り直す
サイトを修正したり、掲載先を増やしたりしたら、手順3と同じ質問・同じ条件で測り直します。ここを省くと、やったことが効いたのかどうか分からないまま次の施策に進むことになります。
- 何を、いつ変えたかを記録する。複数の変更を同時に入れると、どれが効いたか区別できません。
- 質問を途中で変えない。手順2で見たとおり、言葉が少し違うだけで結果が変わるため、比較できなくなります。
- 1回の結果で判断しない。回答はもともと毎回変わります。修正の前後それぞれで、何回か分の割合を比べます。
また、変化が出るまでの時間はAIやサイトの状況によって違い、直せば必ず挙がるようになるものでもありません。だからこそ、定期的に同じ物差しで測り続けることが、LLMO対策でいちばん地味で、いちばん欠かせない作業になります。
まとめ:チェックリスト
LLMO対策の進め方を、確認項目の形でまとめます。
- AIクローラーを止めていないかrobots.txtと、Cloudflareなどの設定を2か所とも確認する
- 質問は、お客様の言葉になっているかサービス名ではなく悩み・条件・エリアで書く
- 3つのAIで、複数回測ったか「何回中何回」で記録し、他社の名前も控える
- 上位の会社の言葉と、AIの参照先を調べたか自社サイトに足りない情報と、載るべき外部サイトを洗い出す
- 直した後に、同じ条件で測り直したか変更内容と日付を記録し、前後の割合を比べる
サイトの修正は手順4と5の間にあります。最初にやることではありません。どの質問で、どのAIに、何回中何回挙がっていないのか。それが分かってから手を打つほうが、限られた時間を使う場所を間違えずに済みます。
なぜ自社がAIの回答に出てこないのか、原因のほうから知りたい方は「ChatGPTに自社が出てこない4つの理由」もあわせてご覧ください。
よくある質問
LLMO対策とは何ですか?
LLMO(Large Language Model Optimization)対策とは、ChatGPT・Claude・GeminiなどのAIに質問されたとき、回答の中で自社の名前が挙がり、正しく紹介されるようにするための取り組みです。GEO・AIO・AEOもほぼ同じ領域を指す言葉です。
LLMO対策は何から始めればいいですか?
まずAIクローラーを自社サイトでブロックしていないかを確認し、次に「お客様が実際に使う言葉」で計測する質問を決めます。サイトの修正は、3つのAIで複数回計測して現状を把握してからのほうが、手を打つ場所を間違えにくくなります。
robots.txtでAIクローラーを許可すれば、AIの回答に表示されますか?
許可するだけでは表示されません。恵比寿のパーソナルジム19社を調べたところ、AIクローラーをブロックしていた店は0社でした。AIはどの店のサイトも読める状態で、読んだうえで紹介する店を選んでいます。クローラーの許可は前提条件であり、それだけで結果が変わるものではありません。
LLMO対策をすれば、AIの回答で必ず上位に出ますか?
保証はできません。AIの回答は同じ質問でも毎回変わり、実測では2回の回答の一致率が43〜76%でした。できるのは、どの質問で自社が挙がっていないかを把握し、直した後に同じ条件で測り直して変化を確かめることです。