LLMOとは何か。GEO・AEO・AIOとの違い
LLMOとは、Large Language Model Optimization の略です。ChatGPTやClaude、Geminiといった大規模言語モデルの回答に、自社が引用・言及されやすくするための取り組みを指します。
同じ領域を指す言葉が複数あり、混乱しやすいところです。整理すると次のようになります。
| 用語 | 正式名称 | 意味するもの |
|---|---|---|
| LLMO | Large Language Model Optimization | 大規模言語モデルの回答に載るための最適化 |
| GEO | Generative Engine Optimization | 生成AIの回答に載るための最適化 |
| AEO | Answer Engine Optimization | 回答エンジンに載るための最適化 |
| AIO | AI Optimization | AI全般に向けた最適化 |
厳密には力点が異なりますが、実務上はほぼ同じことを指しています。LLMO対策、GEO対策、AEO対策と呼び分けられていても、やるべきことに大きな違いはありません。
この記事では、検索されることの多いLLMOを基本の呼び方として使います。
枠が少ない。検索結果は10件が並びますが、AIの回答に載るのは3〜10件程度です。
順位が変動する。同じ質問でも回答は毎回同じになりません。今週挙がった名前が、来週は消えていることがあります。
AIごとに答えが違う。ChatGPTで出ていても、ClaudeやGeminiでは出ていないことがあります。相手がどのAIを開くかは選べません。
理由① AIが自社サイトを読んでいない
最も多い原因がこれです。そして、最も見落とされています。
AIが回答を作るとき、Web検索を行って複数のページを参照します。このとき読まれているのは、必ずしも各社の公式サイトではありません。
弊社が自社のサービスについて計測したときの結果です。「AI検索対策ができるおすすめのツールは?」などの質問を投げ、AIが実際に参照したURLを記録しました。
・「GEO対策ツールおすすめ17選」を掲載する比較サイト 7回
・プレスリリース配信サイト 6回
・「LLMO対策会社おすすめ17社比較」を掲載するメディア 4回
・「LLMO対策会社おすすめ23選」を掲載するメディア 4回
自社サイトが参照された回数:0回
AIが読んでいたのは、「◯◯選」「◯◯社比較」といったまとめ記事でした。自社サイトは一度も読まれていません。
読まれていないものを、AIが紹介することはできません。サイトをどれだけ直しても、まず読まれる状態を作らなければ結果は変わらないということです。
自社が属する業界で「おすすめ◯選」「比較」といった記事が存在するか。存在する場合、自社が掲載されているか。
掲載されていなければ、LLMO対策としてはサイトの改修より掲載の打診が先になる可能性があります。
理由② クローラーをブロックしている
技術的な原因です。件数としては多くありませんが、該当すると致命的です。
AIは専用のクローラーでサイトを読みにきます。ChatGPTなら GPTBot や OAI-SearchBot、Claudeなら ClaudeBot や Claude-SearchBot、Geminiなら Google-Extended です。
これらが robots.txt でブロックされていると、AIはサイトを読めません。
AI検索対策のツールを開発しているにもかかわらず、自社サイトがAIクローラーをブロックしていました。
Claudeの検索ボットは24時間で13回アクセスし、そのすべてが失敗していました。
原因はCDNの設定です。「AIボットをブロックする」という機能がオンになっており、あわせて robots.txt にも自動で Disallow が追記されていました。設定した覚えはありませんでした。
この設定は、セキュリティ設定の深い階層にあります。ボットトラフィックの項目から、robots.txt の管理設定へと進んだ先です。通常のサイト運営で、ここに辿り着いて確認する人は多くないはずです。
なお、弊社が別途19社を調べた際には、ブロックしていた企業は0社でした。頻度は高くありませんが、該当すればLLMO対策以前の問題になります。
ChatGPT・Claude・Geminiに実際に質問を投げ、レポートにしてお送りします。
資料をダウンロード(無料)理由③ 質問の言葉と、自社の言葉が違う
ここが、LLMO対策で最も見落とされる点だと考えています。
AIは、質問に書かれている言葉をそのまま手がかりに探します。人間のように文脈から察してはくれません。
略語を足しただけで、名前が消える
ある採用支援の会社について、2つの質問で計測しました。
| 質問 | 結果 |
|---|---|
| エンジニア採用を頼める採用代行会社はどこ? | 3AI中2つで名前が挙がった |
| エンジニア採用に強い採用代行(RPO)会社は? | 3AIすべてで0回 |
ほぼ同じ意味の質問です。しかし「RPO」という3文字を足しただけで、挙がっていた会社が消えました。
カテゴリ名を省くと、別の話が返る
BtoB SaaSの領域でも同じ現象が起きました。「従業員数100名以下の中小企業におすすめのシステムは?」と聞いたときの結果です。
返ってきたのは勤怠管理・経費精算・営業支援・電子契約でした。「システム」という言葉だけでは、カテゴリを指定したことになりません。
直前まで同じカテゴリの話をしていても、AIはその質問単体を独立した入力として処理します。
自社が使っている言葉と、相談者が使う言葉は同じとは限りません。業界内で通じる略語や正式名称が、検索する側では使われていないことがあります。
逆に、相談者が使う言葉がサイトのどこにも書かれていなければ、AIは自社を候補として認識できません。
理由④ そもそも1回では判断できない
ここまでの3つに当てはまらない場合でも、「出てこない」という判断自体が早い可能性があります。
AIの回答は、同じ質問でも毎回変わります。弊社が2日に分けて同じ質問を投げた際の一致率は、43〜76%でした。1位と13位を行き来した事業者もあります。
「エンジニア採用を頼める人材紹介会社は?」という質問で、ChatGPTが8社、Claudeが6社、Geminiが9社を挙げました。
3つすべてに登場した会社は0社。ChatGPTとClaudeの間でも、重なった会社は1社もありませんでした。
美容クリニックの調査でも、「都内でおすすめの美容クリニックは?」で3AI共通は0件でした。
1つのAIに1回聞いて「出てこない」と判断しても、実態の3分の1しか見ていないことになります。逆に「出ている」と確認できても、それが安定して出ているのか、たまたまなのかは区別できません。
LLMO対策では、変動を前提として継続的に計測することが前提になります。施策を実施したあと、それが効いたのかどうかを判断するためにも必要です。
自分で確認する3つの方法
費用をかけずに、いますぐ確認できることがあります。
1. robots.txt を開く
ブラウザのアドレスバーに、自社ドメインの後ろに /robots.txt を付けて開きます。
表示された内容に、次のような記述がないか確認してください。
Disallow: /
User-agent: ClaudeBot
Disallow: /
User-agent: Google-Extended
Disallow: /
これらがあれば、AIはサイトを読めていません。CDNやセキュリティ設定が自動で追記している場合があるため、設定した覚えがなくても確認する価値があります。
2. 3つのAIすべてで聞いてみる
ChatGPTだけでなく、ClaudeとGeminiでも同じ質問を試してください。Web検索を有効にした状態で行うことが重要です。検索せずに回答している場合、結果がまったく変わります。
3. 聞き方を変えて試す
1つの質問だけでなく、言い方を変えて複数回試します。
- 業種名だけ/業種名+エリア/業種名+略語
- サービス名で聞く/お客様が抱える悩みから聞く
- 正式名称で聞く/一般的な呼び方で聞く
結果が大きく変わるはずです。どの聞き方で挙がり、どの聞き方で挙がらないか。それが分かれば、対策すべき方向が見えてきます。
まとめ
ChatGPTに自社が出てこない理由を4つに整理しました。
- AIが自社サイトを読んでいない — 読まれているのは比較記事やまとめ記事
- クローラーをブロックしている — 設定した覚えがなくても起きる
- 質問の言葉と自社の言葉が違う — 略語ひとつで結果が変わる
- 1回では判断できない — 一致率43〜76%、3AI共通0社
LLMO対策やGEO対策として語られるものの多くは、サイトの書き方に関する話です。しかし実測してみると、その手前で止まっているケースが少なくありません。
まずは自社の現状を、3つのAIで確認するところから始めることをおすすめします。