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LLMO対策(AIO/GEO)とは
LLMO対策とは、ChatGPT・Claude・GeminiなどのAIに質問されたとき、回答の中で自社の名前が挙がり、正しく紹介されるようにするための取り組みです。AIO対策、GEO対策とも呼ばれ、ほぼ同じ領域を指します。
LLMO対策というと「自社サイトの書き方」の話が中心になりがちです。しかし、AIが会社を紹介するときに参照するのは自社サイトだけではありません。今回は「AIが紹介に添えたリンク」から、その実態を見ていきます。進め方の全体像は「LLMO対策、最初にやるのはサイト修正ではなかった」にまとめています。
何を調べたか
業種ごとに5〜10の質問を用意し、ChatGPT・Claude・Geminiの3つに、Web検索を有効にした状態で投げました。回答に挙がった会社・店舗は、のべ1,103件です。
そのうち、AIが会社名にURLを添えていた450件を、リンク先によって4種類に分けました。
| 分類 | 例 |
|---|---|
| 自社サイト | 紹介された会社自身の公式サイト・店舗ページ・コラム |
| 他社・メディアの記事 | 別の会社のコラム、転職メディアなどの記事 |
| ポータル・比較サイト | SUUMO、ITreview、税理士紹介サイトなど |
| Googleマップ | Googleマップの検索ページ |
| 業種 | 計測時期 | リンク数 |
|---|---|---|
| 不動産(世田谷区) | 2026年7月 | 68件 |
| 税理士(渋谷区・港区) | 2026年8〜9月 | 80件 |
| パーソナルジム(恵比寿) | 2026年8月 | 91件 |
| パーソナルジム(銀座・新橋) | 2026年8月 | 32件 |
| 人材・採用 | 2026年8〜9月 | 82件 |
| BtoB SaaS(人事システム) | 2026年9月 | 42件 |
| 美容クリニック(都内) | 2026年9月 | 55件 |
結果① 業種によって、リンク先がまったく違った
7業種を、自社サイト以外へのリンクが多い順に並べました。
AIが会社に添えたリンクの内訳(業種別)
不動産世田谷区
66%自社以外
BtoB SaaS人事システム
52%自社以外
人材・採用人材紹介・採用代行
29%自社以外
美容クリニック都内
22%自社以外
税理士渋谷区・港区
18%自社以外
パーソナルジム恵比寿
14%自社以外
パーソナルジム銀座・新橋
9%自社以外
出典:AGEO-SCOPE実測(2026年7〜9月、ChatGPT・Claude・Gemini、Web検索あり)。右の数字は、リンクのうち自社サイト以外が占める割合。
パーソナルジムや税理士では、8割以上が紹介された会社自身のサイトでした。「この店はこちら」と、公式ページにそのままつないでいます。
ところが不動産では、自社サイト以外が66%。内訳はGoogleマップが28件、SUUMOなどのポータルサイトが10件です。BtoB SaaSでも52%が自社サイト以外で、ITreviewやBOXILといった比較サイトと、他社の記事が中心でした。
同じ「おすすめの会社は?」という質問でも、業種によって、AIが案内する先はまったく違うということです。
自社の業種で、AIがどこにリンクしているか調べられます
AGEO-SCOPEは、御社に合わせた質問を3つのAIに毎週投げ、回答に挙がった会社と、AIが参照したサイトを記録します。仕組みと画面を資料にまとめています。
結果② 競合のサイトが、他社の紹介に使われていた
「他社・メディアの記事」の中身を見ていくと、見過ごせないパターンがありました。ある会社のサイトが、別の会社を紹介するときのリンク先になっていたのです。
BtoB SaaSある人事システム会社のサイトが、競合を含む6つの製品を紹介するときのリンク先になっていた
美容クリニックあるクリニックのコラム記事1本が、大手を含む5つのクリニックを紹介するときのリンク先になっていた
パーソナルジム(恵比寿)あるジムのサイトが、同じエリアの別の3店舗を紹介するときのリンク先になっていた
つまり、相談者がAIの回答で自社の名前を見つけ、横のリンクを押すと、競合のサイトに着くことがあるということです。
なぜ別の会社のページが使われたのか、理由までは分かりません。美容クリニックの例では、リンク先が複数の医師やクリニックを並べて紹介するコラム記事でした。複数の会社を並べて説明しているページは、AIにとって「その会社について書かれた情報源」として使いやすいのかもしれません。一方、人事システムとジムの例はトップページへのリンクで、AIがURLを取り違えた可能性もあります。
いずれにしても、AIの回答に名前が挙がっているかどうかだけでなく、どこにつながっているかまで確認しないと、この状態には気づけません。
私たち自身の話
AGEO-SCOPEも以前、AI検索ツールの領域で計測したとき、AIが参照していたのは「GEO対策ツールおすすめ17選」のような他社の比較記事で、自社サイトは一度も参照されていませんでした。自社のことを説明している場所が、自社サイトとは限らない。今回の450件は、それが自社だけの話ではなかったことを示しています。
結果③ Googleマップを使うのはChatGPTだけだった
AIごとに分けると、リンクの付け方にも違いがありました。
AIが会社に添えたリンクの内訳(AI別)
ChatGPTURLあり 205件
33%自社以外
ClaudeURLあり 80件
32%自社以外
GeminiURLあり 165件
24%自社以外
出典:AGEO-SCOPE実測(7業種合計)。
Googleマップへのリンクは42件あり、すべてChatGPTでした。そのうち28件が不動産です。ClaudeとGeminiは、Googleマップに一度もリンクしていません。
リンクを付ける頻度も違います。会社を紹介したときにURLを添えた割合は、ChatGPTが64%(319件中205件)だったのに対し、Claudeは31%(262件中80件)、Geminiは32%(522件中165件)でした。
地域の事業者にとっては、ChatGPTで紹介されたとき、公式サイトではなくGoogleマップの情報が相談者の目に触れる可能性がある、ということになります。
業種別:どこに情報が載っているべきか
ここまでの結果を、業種ごとに整理します。「このリンク先に載れば紹介される」という意味ではなく、AIが紹介するときに案内していた場所です。まずはここに、自社の正しい情報が載っているかを確認するのが出発点になります。
| 業種 | AIが案内していた主な場所 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| パーソナルジム | 各店舗の公式ページ | 店舗ごとのページがあるか。料金・特徴が書かれているか |
| 税理士 | 事務所の公式サイト | 得意分野(相続・税務調査など)が明記されているか |
| 美容クリニック | 公式サイト、他院のコラム | 自院が他院の比較記事でどう書かれているか |
| 人材・採用 | 公式サイト、転職・採用メディアの記事 | 業界メディアの比較記事に載っているか |
| 不動産 | Googleマップ、ポータルサイト | Googleビジネスプロフィールの情報が最新か |
| BtoB SaaS | 比較サイト、他社の比較記事 | ITreviewなどの掲載情報と、競合の比較記事での書かれ方 |
店舗や士業なら、まず自社サイト。不動産ならGoogleマップ。BtoB SaaSなら比較サイト。自社の業種では、AIがどこを見ているのかを先に知ることで、限られた時間をどこに使うかが決まります。
このデータで言えないこと
最後に、この集計の限界を書いておきます。
- AIが読んだサイトの一覧ではありません。集計したのは会社名に添えられたURLです。AIが回答を作るために読んだサイトは、これより多い可能性があります。
- URLが付いていない紹介のほうが多いです。1,103件のうち、URLがあったのは450件です。特にClaudeとGeminiは、7割近くの紹介にURLを付けていません。
- 業種ごとの件数は多くありません。BtoB SaaSは42件、銀座・新橋のジムは32件です。割合は傾向として見てください。
- 計測した時期のスナップショットです。AIの回答は日々変わるため、同じ質問でも時期によって結果は変わります。
そのうえで、「業種によってAIの案内先が大きく違う」「競合のページが他社の紹介に使われることがある」という2点は、自社のLLMO対策の優先順位を考えるうえで十分に参考になると考えています。
AIの回答にそもそも自社が出てこない場合は、「ChatGPTに自社が出てこない4つの理由」から確認してみてください。
よくある質問
AIが会社を紹介するとき、どのサイトにリンクを貼っていますか?
業種によって大きく違います。7業種・450件を集計したところ、パーソナルジムや税理士では8割以上が各社の公式サイトでした。一方、不動産ではGoogleマップやポータルサイトなど自社サイト以外が66%、BtoB SaaSでは比較サイトや他社の記事が52%を占めました。
Googleマップの情報はAI検索にも関係しますか?
今回の計測では、ChatGPTが会社にGoogleマップのリンクを付けた例が42件あり、そのうち28件が不動産でした。ClaudeとGeminiではGoogleマップへのリンクは0件でした。少なくともChatGPTでは、地域の事業者を紹介するときにGoogleマップが使われる場面があります。
AIが貼ったリンクを見れば、AIが読んだサイトが分かりますか?
分かりません。今回集計したのは、AIが会社名を挙げたときにその会社に添えたURLで、回答を作るために読んだサイトの一覧ではありません。また、URLが付いていたのは会社の紹介1,103件のうち450件でした。