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LLMOとは言葉の出どころと、いま分かっていること

2026年9月25日公開 執筆:GENTA

LLMOという言葉を目にする機会が、この1年で一気に増えました。ただ、解説を読んでも「AIに載るための対策」という説明で止まっていることが多く、どこまでが確かめられた話なのかが分かりません。

この記事では、言葉がどこから来たのか、なぜ日本でだけLLMOと呼ばれているのか、AIが答えを出すまでに何が起きているのか、そして研究の世界で何がどこまで分かっているのかを整理します。やり方の手順書ではありません。手順は別の記事にまとめてあります。

目次

  1. 「LLMO」という言葉の出どころ
  2. 日本でだけ、LLMOと呼ばれている
  3. AIが答えを出すまでの7つの関門
  4. 手が届くのは、7つのうち3つ
  5. よく見かける数字を、原典で確かめる
  6. 分かっていること、分かっていないこと
  7. SEOの物差しが合わない場面
  8. どこから手をつけるか
  9. よくある質問

「LLMO」という言葉の出どころ

始まりは論文です。2023年11月16日、Aggarwalらが「Generative Engine Optimization(GEO)」という呼び方を使った論文を公開しました。生成AIが答えを作るとき、どの情報源が使われやすいかを実験した研究です。

そこから、同じ現象を指す言葉がいくつも生まれました。

呼び方元の語成り立ち
GEOGenerative Engine Optimization2023年の論文由来。研究の世界ではこれが使われる
LLMOLarge Language Model Optimization日本で広まった呼び方。大規模言語モデルの側から見た言い方
AEOAnswer Engine Optimization検索が「答えを返すもの」に変わったという見方から
AIOAI Optimization / AI OverviewsGoogleのAIによる概要を指す使われ方も混在している

紛らわしいのですが、これらは別々の技術ではありません。45本のGEO研究を整理した2026年のレビューは、これらの呼び方について「別個の手法ではなく、同じ現象を別の商用製品に当てはめて呼んでいるもの」として扱っています。文献上、使い分けられてはいないということです。

実務的には、英語の論文を読むときはGEO、日本語で情報を探すときはLLMOと覚えておけば足ります。

日本でだけ、LLMOと呼ばれている

なぜ日本ではLLMOなのか。検索数を並べると、差がはっきりします。

キーワード月間検索数
LLMO5,400
LLMO とは1,600
LLMO対策1,600
geo対策320
aio対策210
aeo対策170

LLMO系を合計すると8,600、GEO系は約500。17倍の開きです。研究の世界ではGEOが標準なのに、日本語で探す人はLLMOと打っている。言葉が輸入される途中で置き換わった形です。

私たちがこれで転んだ話

AGEO-SCOPEは当初、「GEO / AIO対策ツール」と名乗っていました。研究の言葉に寄せたつもりでしたが、お客様が打っている言葉とは違っていたわけです。AIにどう見られているかを測るサービスが、自分が何と呼ばれているかを見ていなかったことになります。

出典:ラッコキーワード(2026年9月時点)

ここには、LLMOの核心がそのまま出ています。AIは質問に書かれた言葉を手がかりに探します。自社が使う言葉と、相手が使う言葉がずれていれば、どれだけ良いことを書いても結びつきません。

AIが答えを出すまでの7つの関門

「LLMO対策=サイトの書き方を変えること」と説明されることが多いのですが、実際にはもっと長い道のりがあります。前述のレビューは、AIの回答に自社が載るまでを7つの段階に分けています。

質問が投げられてから、人が動くまで

1

活性化その質問で、AIがそもそも検索を動かすか。動かなければ、学習済みの知識だけで答えます

届かない
2

クロール・保存AIのクローラーがページを読み、手元に置くか

届く
3

候補入り質問に対して、そのページが候補の山に入るか

届かない
4

並べ替え・文脈配分候補のうち、どれを何番目でモデルに渡すか

届かない
5

生成・引用渡された中から、どれを使い、どれに出典を付けるか

届く
6

吸収・忠実性引用された内容が、実際に回答へ正しく反映されているか

届く
7

行動読んだ人がクリックし、問い合わせるか

届かない

段階の区分は45本のレビューによる。右側の「届く/届かない」は、サイト側の修正でどこまで手が届くかを示したもの。

1段階目から順に関門があり、どこか1つで落ちれば、その先はありません。どれだけ文章を整えても、2段階目でクローラーを弾いていれば読まれない。読まれても3段階目の候補に入らなければ、モデルの目には触れない。

逆に言えば、「AIに出てこない」という一言の中には、まったく違う原因が7通り含まれているということです。どの段階で止まっているかを切り分けないまま手を打っても、当たるかどうかは運になります。

手が届くのは、7つのうち3つ

表の右側が示しているとおり、サイト側の修正で直接触れるのは2・5・6の3段階だけです。候補の山に入るかどうか(3)、何番目でモデルに渡されるか(4)は、外からは見えません。レビューはこの状況を、こう表現しています。

レビューの表現

「制作者は、候補集合の全体も、並べ替えのスコアも、生成側の内部状態も観測できない。したがってGEOは、不完全情報のもとでのブラックボックス最適化問題である」

出典:Olivier Martinez (Sciences Po), A Critical Survey of Generative Engine Optimization (2023-2026), arXiv:2607.14035

中が見えない箱を相手にしているので、やってみて、結果を測るしかありません。「この施策をすれば必ず載る」と言い切れる立場の人は、本来いないことになります。

そして、この構造には落とし穴もあります。レビューが紹介している検証では、本文だけを最適化した結果、上位20件に入る割合が約9%下がり、最終的な引用も6%下がったという報告があります。5・6段階目のために書き換えたことが、3段階目に跳ね返ったわけです。段階を切り分けずに手を入れると、こういうことが起こります。

LLMO対策の「分析→改善提案→効果の確認」を、1つのツールで

AGEO-SCOPEは、どの質問で自社が挙がっているかを分析し、上位の会社と自社サイトを突き合わせて「次に何を書き足すか」を根拠つきで提案します。直した後にどう変わったかも、毎週の計測で確かめられます。

資料をダウンロード

よく見かける数字を、原典で確かめる

LLMOの解説記事には、よく同じ数字が出てきます。原典に当たると、意味が違っていることがあります。

「40%改善」はどこから来たか

最初の論文が示した数字です。ただし、これはあらかじめ5つの文書がAIに渡された状態で、そのうち自分の文書が引用文の中で占める割合が、19.3から27.2に上がったという結果でした。相対的におよそ41%の増加です。

つまり、「読者が40%増える」でも「AIに拾われる確率が40%上がる」でもありません。すでにAIの手元に届いている文書の間での、取り分の話です。レビューも、この点をはっきり区別するよう注意を促しています。

引用されても、裏が取れているのは半分

もう1つ、あまり知られていない数字があります。複数のAIを横断して調べたところ、引用元によって完全に裏づけられていた文は、全体の約51%だったという報告です。レビューはこれを「引用は、信頼性も、内容の裏づけも意味しない」とまとめています。

これは実務に直結します。AIの回答に自社名が出ていても、そこに書かれている説明が正しいとは限らないということです。私たちが業種ごとに計測していても、料金や対応範囲が実際と違って紹介されている例は珍しくありません。名前が挙がったかどうかだけを数えていると、この種の間違いは見つかりません。

分かっていること、分かっていないこと

45本のレビューは、段階ごとに証拠の強さを評価しています。整理すると、こうなります。

何について確信度内容
文脈の中での位置高い話題の関連度と、渡される順番が最も効く2要素
引用のされ方高いすでにAIの手元にある文書は、引用や順番を動かせる
引用の忠実さ高い引用されていても、裏づけがあるとは限らない
内容の吸収中くらい抜き出しやすい書き方は効くが、AIや質問の種類による
自然な発見されやすさ低い長期・複数AIで安定して効くと確認された手法はない
クリック・売上非常に低い引用が来訪や成約につながる証拠は最も弱い

整理すると、「すでにAIに届いている情報が、どう使われるか」については分かってきている。「そもそも届くようにする方法」と「それが商売につながるか」は、まだ分かっていないということです。

LLMO対策をうたうサービスは増えていますが、「AI検索経由の売上が増える」と言い切れる段階ではありません。私たちも含めて、です。

SEOの物差しが合わない場面

SEOの経験がある人ほど、最初につまずくところです。3つ挙げます。

順位表がない

検索結果は10件前後が並びますが、AIの回答に名前が挙がるのは数件です。3社しか挙げないことも、1社も具体名を出さないこともあります。「何位か」ではなく「挙がったか、挙がらなかったか」に近い世界です。

同じ質問でも、毎回変わる

レビューによれば、同じ質問を繰り返したとき、引用されるサイトの重なりは日ごとに0.34〜0.42程度です。そのため1つの質問につき7〜8回の反復計測が出発点として推奨されています。私たちが恵比寿のパーソナルジムで2回計測したときも、顔ぶれの一致は43〜76%でした。1回調べた結果は、順位のスナップショットとしては使えません。

エンジンごとに別物

Googleの通常検索、AIによる概要、Geminiの3つで挙がるURLを比べると、重なりは0.11〜0.18でした。私たちの計測でも、都内の美容クリニック92院のうち3つのAIすべてに挙がった院は0院です。レビューは「可視性はエンジンごと、画面ごとに別物として扱うべきだ」としています。1つのAIで確認して安心も落胆もできない、ということです。

どこから手をつけるか

ここまでを踏まえると、順番は決まってきます。

具体的な進め方は「LLMO対策、最初にやるのはサイト修正ではなかった」に5つの手順としてまとめました。自社が出てこない原因を切り分けたい場合は「ChatGPTに自社が出てこない4つの理由」、業種ごとの違いは「AIが貼ったリンク450件を調べてみた」が近い内容です。

参考にした資料 Olivier Martinez (Sciences Po), Optimizing Visibility in Generative Engines: A Critical Survey of Generative Engine Optimization (2023-2026), arXiv:2607.14035(2026年7月15日版)
Aggarwal et al., GEO: Generative Engine Optimization, arXiv:2311.09735(初版2023年11月16日)
ラッコキーワード(2026年9月時点の月間検索数)/AGEO-SCOPE実測(2026年7〜9月、ChatGPT・Claude・Gemini、Web検索を有効化)

よくある質問

LLMOとは何ですか?

LLMO(Large Language Model Optimization)は、ChatGPTやClaude、GeminiなどのAIが質問に答えるとき、自社の情報が使われ、正しく紹介されるようにする取り組みを指します。GEO・AEO・AIOも文献上はほぼ同じものを指しており、別の技術というより、呼び方の違いに近いものです。

LLMOとGEOは何が違いますか?

技術として別のものではありません。GEOは2023年11月に発表された論文で使われた呼び方で、研究の世界ではこちらが使われます。LLMOは日本で広まった呼び方で、月間検索数はLLMO系が合計8,600、GEO系が約500と、17倍の開きがあります。文献を読むときはGEO、日本語で情報を探すときはLLMOと覚えておくと迷いません。

LLMO対策をすれば、サイトへのアクセスは増えますか?

増えるとは言えません。2026年7月に公開されたGEO研究45本のレビューでは、AIに引用されることがクリックや売上につながるという証拠は「非常に低い確信度」と評価されています。一方で、すでにAIの手元にある情報が引用のされ方を左右することには高い確信度が置かれています。

AIに引用されれば、正しく紹介されたことになりますか?

なりません。同じレビューでは「引用は信頼性も、内容の裏づけも意味しない」とされ、複数のシステムを通して、引用元によって完全に裏づけられていた文は約51%だったと報告されています。名前が挙がったかどうかだけでなく、何と書かれているかまで見る必要があります。