業種別・不動産

SUUMOに載っていれば、AIに出るのか物件を探す質問で、3つのAIが返したものが割れました

2026年10月23日公開 執筆:GENTA

SUUMOやアットホームに掲載していれば、AIにも拾われるのか。世田谷区の不動産会社を対象にした10問の計測から、ポータルサイトが出てきた場面だけを抜き出して調べました。

ポータルが出てきたのは10問のうち1問でした。そしてその1問で、3つのAIが返したものがきれいに分かれていました。

目次

  1. 不動産ポータルとLLMO対策、何を確かめたか
  2. ポータルが出たのは、10問のうち1問だけ
  3. 同じ質問で、ChatGPTは会社、Geminiはポータルを返した
  4. ChatGPTが案内していたのは、物件一覧ページだった
  5. Geminiは「HOME'S」にSUUMOのURLを貼っていた
  6. SUUMO掲載は、LLMO対策になるのか
  7. 物件を探す質問に、何をするか
  8. この計測で言えないこと
  9. よくある質問

不動産ポータルとLLMO対策、何を確かめたか

LLMO対策(AI検索対策・AIO対策とも呼ばれます)とは、AIに相談されたときに自社の名前が挙がり、正しく紹介されるようにする取り組みです。

不動産会社の方からよく出てくるのが、ポータルサイトの扱いです。SUUMO、LIFULL HOME'S、アットホーム。すでに掲載料を払って載せている会社が多く、「あれはAI対策になっているのか」という疑問が残ります。

2026年7月、世田谷区の不動産会社について10種類の質問をChatGPT・Claude・GeminiにWeb検索を有効にして投げ、挙がった118社と、AIが添えたリンク68件を記録しました。この68件のうち、ポータルサイトへのリンクは10件です。この10件がどこから出てきたのかを追いました。

同じことを自社で測る手順はまず自社の状況を知るに、計測全体の結果は不動産会社のLLMO対策にまとめています。この記事はそこから、ポータルの部分だけを取り出したものです。

ポータルが出たのは、10問のうち1問だけ

まず、どの質問でポータルが出てきたかを並べます。

質問ポータルGoogleマップ公式サイト
二子玉川で中古マンションを探しています8件0件9件
世田谷区で相続した実家を売却したい2件6件0件
世田谷区で家の売却を頼むなら0件8件2件
下北沢周辺で評判の良い不動産会社は?0件6件0件
三軒茶屋でおすすめの不動産会社を教えて0件5件4件
二子玉川で相続した不動産の売却に強い会社は?0件3件0件
世田谷区でおすすめの不動産会社を教えて0件0件4件
三軒茶屋で家の売却を頼むなら0件0件3件

出典:AGEO-SCOPE実測(2026年7月、世田谷区、10問×3AI、Web検索を有効化)。リンク68件を分類。他社・メディア記事の列は省略しています。

10件のうち8件が、「二子玉川で中古マンションを探しています」の1問に集中していました。残り2件は相続の質問です。

「おすすめの不動産会社は?」「家の売却を頼むなら?」のように会社をたずねる質問では、ポータルは1件も出ていません。出てきたのはGoogleマップと各社の公式サイトでした。

分かれ目は、会社を探しているのか、物件を探しているのかでした。

同じ質問で、ChatGPTは会社、Geminiはポータルを返した

その1問を、AI別に開きます。「二子玉川で中古マンションを探しています。どうすればいいですか?」に対して返ってきた17件の内訳です。

AI返した件数ポータル会社・その他
ChatGPT4件1件3件
Claude9件4件5件
Gemini4件3件1件

Claudeが返したポータルは、SUUMO・LIFULL HOME'S・アットホーム・ノムコムの4つ。Geminiが返したのはSUUMO・HOME'S・アットホームの3つです。いずれもトップページのURLでした。

ここで起きていたこと

重要なのは、ポータルが「ある不動産会社を説明するための出典」として出てきたのではないという点です。

ClaudeとGeminiは、SUUMOやアットホームを答えそのものとして挙げていました。「物件を探すなら、このサイトを見てください」という形です。会社名ではなく、サイト名が回答になっています。

Geminiが返した残り1件は「二子玉川ライズS.C.」でした。商業施設です。中古マンションを探している人への回答として、不動産会社ですらありません。

ChatGPTが案内していたのは、物件一覧ページだった

ChatGPTだけ、返ってきたものの性質が違いました。4件のうち3件が不動産会社で、しかも貼られていたURLがトップページではありませんでした。

いずれも会社紹介ページではなく、物件が並んでいるページです。エリアや駅で絞り込まれた状態のURLが、そのまま貼られていました。

残り1件はiタウンページに掲載された三井のリハウス二子玉川センターの情報で、これも会社の所在地情報でした。

つまりChatGPTは、この質問に対してポータルに流さず、各社の物件一覧ページを直接案内していたことになります。自社サイトに物件一覧があり、エリアで絞り込めるURLになっていれば、拾われる余地があるということです。

Geminiは「HOME'S」にSUUMOのURLを貼っていた

もう1つ、同じ1問の中で見つかったものです。

AI挙げた名前貼られていたドメイン
ClaudeLIFULL HOME'Shomes.co.jp
GeminiHOME'Shome.suumo.jp

同じ計測の中で、ClaudeはHOME'Sに homes.co.jp を貼り、Geminiは home.suumo.jp を貼っていました。後者はSUUMO側のドメインです。サービス名と、貼られたURLの運営元が一致していません。

AIが挙げた名前と、添えたURLがずれる現象は、ほかの計測でも出ています。注文住宅では、7社の名前にまったく無関係な別業種の会社のURLがまとめて貼られていました。

名前が挙がったかどうかだけを見ていると、この種のずれは見つかりません。何と説明され、どこにリンクされていたかまで残して初めて分かります。

LLMO対策の一歩目に、分析から改善提案まで

AGEO-SCOPEは、AIが返した回答を原文のまま記録し、どの質問で自社が挙がったか、何と説明され、どこにリンクされていたかまで残します。そのうえで、次に手を入れる場所を根拠つきで提案します。

資料をダウンロード

SUUMO掲載は、LLMO対策になるのか

ここまでを踏まえて、最初の問いに戻ります。

会社名を出す力としては、確認できなかった

この計測では、ポータルが出てきたのは物件を探す質問だけでした。そこでClaudeとGeminiが挙げたのはSUUMOやアットホームというサイトの名前であって、そこに掲載されている不動産会社の名前ではありません。

掲載していれば自社の名前が挙がる、という動きは今回見えませんでした。載っていても、出てくるのはSUUMOです。

会社をたずねる質問では、別の場所が見られていた

一方、「おすすめの不動産会社は?」のように会社をたずねる質問では、ポータルは0件でした。代わりに出てきたのはGoogleマップ(28件)と各社の公式サイト(23件)です。

会社名を挙げてもらう経路としては、ポータルより先に見るべき場所があるということになります。

ただし、掲載をやめる理由にはならない

念のため書いておくと、これは「SUUMOをやめたほうがいい」という話ではありません。ポータルは人間の相談者が直接使う導線で、今回測ったのはAIの回答に自社名が出るかどうかだけです。評価している範囲が違います。

判断に使えるのは、「ポータル掲載をAI対策の施策として数えないほうがよい」というところまでです。

物件を探す質問に、何をするか

今回の1問から言えることに絞ります。

自社サイトに、絞り込まれた物件一覧ページがあるか

ChatGPTが貼っていたのは、エリアや駅で絞り込んだ状態の物件一覧ページでした。「世田谷区玉川のマンション」のように、地名で到達できるページが存在しているかどうかです。

物件詳細ページは入れ替わりが激しく、消えると404になります。残り続けるのは一覧ページのほうなので、そちらにエリア名が入っているかを先に見ます。

会社をたずねる質問と、物件を探す質問は分けて測る

同じ不動産でも、この2つは返ってくるものが別物でした。会社の質問ではGoogleマップと公式サイト、物件の質問ではポータルと物件一覧ページ。どちらを取りにいくかで、手を入れる場所が変わります。

片方だけを登録して測っていると、もう片方で何が起きているかが見えません。

1つのAIの結果で判断しない

同じ質問に対して、ChatGPTは会社の物件一覧ページ、Claudeはポータル4件、Geminiはポータル3件と商業施設1件を返しました。3つで結論が変わります。

そのうえで、1回ではなく続けて測ることになります。7週間・120回の定点観測では、週ごとの数字を見ているだけでは何も起きていないように見え、質問ごとに分けたときに動きが出ていました。

この計測で言えないこと

よくある質問

SUUMOやアットホームに掲載していれば、AIに自社名が出ますか?

今回の計測では確認できませんでした。ポータルが出てきたのは物件を探す質問だけで、そこでClaudeとGeminiが挙げたのはSUUMO・アットホームといったサイトの名前です。掲載されている不動産会社の名前ではありませんでした。一方、「おすすめの不動産会社は?」のように会社をたずねる質問では、ポータルへのリンクは0件で、Googleマップと各社の公式サイトが出ていました。

ポータルへの掲載はやめたほうがいいですか?

そういう話ではありません。今回測ったのは、AIの回答に自社名が出るかどうかだけです。ポータルは人間の相談者が直接使う導線で、評価している範囲が違います。言えるのは「ポータル掲載をAI検索対策の施策として数えないほうがよい」というところまでです。

物件ページに構造化データを入れれば、AIに拾われますか?

確かめていません。なお、よく勧められるRealEstateListingという型は、Googleがリッチリザルトとしてサポートする25種類には含まれていません。今回の計測で分かったのは、ChatGPTがエリアや駅で絞り込んだ物件一覧ページのURLを直接案内していた、という点までです。構造化データより先に、地名で到達できる一覧ページが存在しているかを見るほうが確かだと考えています。

AIが貼ったURLが間違っていることはありますか?

あります。今回の計測では、Geminiが「HOME'S」という名前にSUUMO側のドメイン(home.suumo.jp)を貼っていました。同じ計測の中で、Claudeは同じサービスにhomes.co.jpを貼っています。別の業種では、7社の名前にまったく無関係な別業種の会社のURLがまとめて貼られていた例もありました。名前が挙がったかどうかだけを見ていると、この種のずれには気づけません。