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何を測るのか、先に決める
LLMO対策(AI検索対策・AIO対策とも呼ばれます)とは、AIに相談されたときに自社の名前が挙がり、正しく紹介されるようにする取り組みです。SEOが検索結果の順位を相手にするのに対して、LLMOはAIが書いた回答文の中に自社が入っているかを相手にします。
測るのは、この3つです。
- 挙がったか どの質問で、どのAIが、自社の名前を出したか
- 何と書かれたか AIが添えた紹介文の中身
- どこにリンクされたか 会社名の横に貼られたURL
この記事の数字は、2026年7月に世田谷区の不動産会社を対象に行った計測から引いています。10種類の質問をChatGPT・Claude・GeminiにWeb検索を有効にして投げ、118社・紹介文151件・リンク68件を記録したものです。計測結果そのものは不動産会社のLLMO対策にまとめています。
質問を作る:会社を聞く質問と、物件を聞く質問は分ける
最初の分かれ目がここです。質問の作り方を間違えると、以降の作業が全部ずれます。
この2つは、返ってくるものが違う
世田谷区の計測では、10問のうち物件を探す質問は1問でした。そしてその1問だけ、答えの性質がまったく違いました。
| 質問の種類 | 返ってきたもの |
|---|---|
| 会社を聞く質問 「世田谷区でおすすめの不動産会社は?」 | 不動産会社の名前。リンク先はGoogleマップと各社の公式サイト。ポータルは0件 |
| 物件を聞く質問 「二子玉川で中古マンションを探しています」 | ClaudeとGeminiはSUUMO・アットホームなどサイトの名前を回答。ChatGPTは各社の物件一覧ページ |
物件を聞くと、会社名ではなくポータル名が返ってきます。ここを混ぜて測ると「うちが全然出ない」という結論になりますが、実際にはそもそも会社名が出る土俵ではなかっただけです。詳しくはSUUMOに載っていればAIに出るのかに書きました。
最初に作る10問の型
会社を聞く質問を中心に、次の切り口で組みます。エリア名は自社の商圏に置き換えてください。
- 一番広い聞き方 「◯◯区でおすすめの不動産会社は?」
- 業務で絞る 「◯◯区で家の売却を頼むなら、どの不動産会社がいいですか?」
- 駅・地域で絞る 「◯◯駅周辺で評判の良い不動産会社は?」
- 相談内容で聞く 「◯◯区で相続した実家を売却したい。どこに相談すればいいですか?」
- 比較で聞く 「不動産の一括査定サイトと、地元の不動産屋。どちらがいいですか?」
- 手順で聞く 「◯◯区で家を売りたいのですが、何から始めればいいですか?」
最後の「手順で聞く」は、会社名が出ないことがあります。世田谷区の計測では、この質問にClaudeとGeminiは1社も挙げませんでした。返ってきたのは売却の流れと必要書類の説明です。会社名が出ない質問を見つけることも、測る目的のひとつなので、外さずに入れてください。
3つのAIに、同じ条件で投げる
条件を揃えないと、あとで比べられません。最低限、次の4つを守ります。
- Web検索を有効にする 無効だと学習時点の古い情報で答えます。相談者と同じ条件になりません
- 毎回、新しいチャットで聞く 同じチャットで続けて聞くと、前の質問に引きずられます
- 3つとも同じ日に投げる AIの回答は日によって変わります。日がずれると、AIの差なのか日の差なのか分からなくなります
- ログインした状態の個人の履歴に注意する 自社サイトを何度も見ているアカウントで聞くと、結果が寄ることがあります
10問を3つのAIに投げると30回です。これが1セットになります。
記録するのは4項目。名前だけでは足りない
スプレッドシートに、1行=「ある質問で、あるAIが、ある会社を挙げた」の形で記録します。列はこの4つです。
| 列 | 記録する内容 |
|---|---|
| 会社名 | AIが書いたとおりに。表記ゆれもそのまま |
| 順番 | 回答の中で何番目に出てきたか |
| 紹介文 | 会社名に添えられた説明文を、そのままコピー |
| リンク先 | 貼られていたURL。なければ「なし」 |
紹介文を残す理由
名前が挙がったかどうかだけ見ていると、何を直せばいいかが分かりません。世田谷区では、紹介文151件のうち「地域密着」が15回使われていました。15社が同じ言葉で説明されていたということで、その言葉では見分けがついていない状態です。
一方、差がついていた紹介文には固有の情報が入っていました。「創業60年」「世田谷・目黒・渋谷・港区を中心に」「再建築不可や通行トラブル」。何が引用されているかは、紹介文を残して初めて分かります。
リンク先を残す理由
AIが挙げた名前と、貼ったURLがずれていることがあります。同じ計測の中で、ClaudeはHOME'Sに homes.co.jp を貼り、Geminiは同じHOME'Sに home.suumo.jp を貼っていました。後者はSUUMO側のドメインです。
注文住宅の計測では、7社の名前にまったく無関係な別業種の会社のURLがまとめて貼られていた例もあります。URLまで残していないと、この種のずれは見つかりません。
集計して読む:まず見る3つの数字
30回ぶんの記録がたまったら、次の順で見ます。
1. 3つのAIすべてに挙がった会社は何社か
世田谷区では、挙がった118社のうち3つすべてに挙がったのは2社でした。挙げた社数もAIで違い、ChatGPTが42社、Claudeが29社、Geminiが64社です。
つまり「ChatGPTで調べたら出てこなかった」は、Geminiでは出ている可能性があります。相談者がどのAIを開くかは選べないので、3つを別々に見ます。
2. 質問ごとに割ると、どこが空いているか
全体を平均すると、動きが見えなくなります。質問ごとに分けてください。世田谷区では、Googleマップへのリンクが「家の売却を頼むなら」の質問に8件集中する一方、「おすすめの不動産会社は?」では0件でした。同じ業種でも、質問によって土俵が違います。
自社が1社も挙がらない質問が見つかったら、そこが最初に狙う場所です。
3. リンク先はどこに寄っているか
世田谷区のリンク68件は、Googleマップ28件・公式サイト23件・ポータル10件・他社記事7件でした。ChatGPTに限ると、添えた47件のうち28件、ちょうど6割がGoogleマップです。
ここが分かると、手を入れる場所が決まります。サイトの文章をいくら直しても、AIが見ているのがGoogleマップなら届きません。
つまずきやすいところ
1回の結果で判断してしまう
これが一番多い失敗です。AIの回答は日によって変わります。1回測って「出ていた」としても、それが実力なのか偶然なのかは分かりません。別の業種で7週間・延べ120回続けた記録では、週ごとの数字を見ているだけでは何も起きていないように見え、質問ごとに分けたときに動きが出ていました。
自社名で聞いてしまう
「◯◯不動産について教えて」と聞くと、たいてい答えが返ってきます。ですがそれは、相談者の聞き方ではありません。測るべきは、自社名を出さない質問で名前が挙がるかです。
表記ゆれを数え漏らす
AIは同じ会社を違う表記で呼びます。「◯◯工務店」と「株式会社◯◯工務店」が別の行になっていると、実際より社数が多く出ます。別の計測では、82社に見えたものが名寄せすると64社でした。集計の前に、表記を揃える作業が要ります。
「地域密着」で満足してしまう
紹介文に自社が出ていても、中身が他社と同じ言葉なら差はついていません。固有の情報が引かれているかまで見てください。
手作業だと、どれくらいかかるか
ここまでの手順は、ツールがなくても実行できます。実際、この記事の元になった計測も、最初は手作業の記録から始めています。
問題は続けられるかどうかです。10問×3AIで1セット30回。1回あたり、質問を投げて回答を読んで4項目を転記するのに3〜5分として、1セットで90〜150分。これを毎週やると月に6〜10時間になります(この時間は実測ではなく、作業内容からの目安です)。
そして前の章のとおり、1回では判断できません。続けて初めて意味が出る作業なのに、続けるには重い。ここが手作業の限界です。
AGEO-SCOPEがやっていること
この30回を毎週自動で回し、記録・集計・比較までを1つにまとめたのがAGEO-SCOPEです。モニタリングだけのツールではなく、分析・改善提案・定期観測を1本で行えるようにしてあります。
- 質問の設計から 上の章で書いた「会社を聞く質問と物件を聞く質問を分ける」を含め、御社の商圏と取扱いに合わせてこちらで作ります
- 紹介文とリンク先を原文のまま保存 何と説明され、どこにリンクされたかが残ります。表記ゆれの名寄せも自動です
- 上位の会社と突き合わせて改善提案 挙がっている会社の紹介文と、御社サイトの実際のページ構成を比べて、次に書き足す内容を根拠つきで出します
- 直したあとの変化も同じ画面で 手を入れた結果AIの回答が変わったのか。ここが、ご自身では確認しづらい部分です
お願いするのは初回の申し込み(1分)だけで、設定と計測はこちらで行います。月額2,980円、初期費用・解約金は0円、最初の1ヶ月は無料です。
まず手順だけ知りたい方も、資料をどうぞ
機能・実際の管理画面・料金プランに加えて、計測で使っている質問の作り方もまとめています。
測ったあと、何から直すか
不動産は、他の業種と順番が変わります。リンク先がGoogleマップに寄っていたためです。
- 先にGoogleビジネスプロフィール ChatGPTが添えたリンクの6割がここでした。事業内容に売買・賃貸・管理・相続など扱う業務が書かれているか、対応エリアが駅名まで入っているか、口コミに返信しているか
- 次にポータルの掲載情報 すでに載せているなら、会社紹介欄が定型文のままになっていないか
- そのあと自社サイト 紹介文に実際に引かれていた要素を書きます。相続の相談を受けられるか、創業年数、対応エリア、扱える物件の種類、士業との連携
それぞれの根拠と、構造化データをどう扱うかは不動産会社のLLMO対策にまとめています。
よくある質問
ツールを使わずに、自分で測ることはできますか?
できます。この記事の手順どおり、質問を10問作り、ChatGPT・Claude・GeminiにWeb検索を有効にして投げ、会社名・順番・紹介文・リンク先の4項目を記録すれば、1セット分が取れます。元になった計測も手作業の記録から始めています。続けるのが重い作業なので、そこをどうするかが分かれ目になります。
何問くらい用意すればいいですか?
10問を目安にしています。一番広い聞き方、業務で絞る聞き方、駅や地域で絞る聞き方、相談内容で聞く聞き方を混ぜます。少なすぎると偏りが見えず、多すぎると毎週続けられません。物件を探す質問も入れる場合は、会社を聞く質問とは分けて集計してください。返ってくるものが違います。
1回測れば十分ですか?
足りません。AIの回答は日によって変わるため、1回では実力なのか偶然なのか区別がつきません。別の業種で7週間・延べ120回続けた記録では、週ごとの数字を見ているだけでは何も起きていないように見え、質問ごとに分けたときに動きが出ていました。
自社名で聞いて答えが返ってくれば、対策できていますか?
別の話です。自社名を出せば、たいていのAIは何かしら答えます。測るべきは、自社名を出さない質問で名前が挙がるかどうかです。「◯◯区でおすすめの不動産会社は?」のように、相談者が実際に打つ形で聞いてください。
3つのAIを全部見る必要がありますか?
あります。世田谷区の計測では、挙がった118社のうち3つすべてに挙がったのは2社だけでした。挙げた社数もChatGPTが42社、Claudeが29社、Geminiが64社と違います。1つのAIで確認して「出ている」「出ていない」と判断すると、実態とずれます。