業種別・美容クリニック

美容クリニックのLLMO対策・AIごとに見ている場所が違った。ChatGPTは公式サイト100%、Claudeは半分がまとめ記事でした

2026年10月27日公開 執筆:GENTA

AI検索対策というと、まず自院のサイトを整える話になります。ただしそれが効くAIと、効かないAIがありました。

都内の美容クリニックについて3つのAIに5問を投げ、AIが院名に添えたリンク55件を分類したところ、ChatGPTは20件すべてが各院の公式サイト。一方Claudeは、半分が他院をまとめて紹介している記事でした。

目次

  1. 美容クリニックのLLMO対策で、先に確かめること
  2. ChatGPTは20件すべて公式サイト、Claudeは半分がまとめ記事
  3. Claudeが挙げた5院は、1本のコラム記事から出ていた
  4. 別の3院には、無関係な院のページが貼られていた
  5. 不動産と違い、Googleマップは0件だった
  6. AIごとに、手を入れる場所が変わる
  7. この計測で言えないこと
  8. よくある質問

美容クリニックのLLMO対策で、先に確かめること

LLMO対策(AI検索対策・AIO対策とも呼ばれます)とは、AIに相談されたときに自院の名前が挙がり、正しく紹介されるようにする取り組みです。

名前が挙がったかどうかだけを見ていると、次に何をすればいいかが決まりません。AIがどこを読んでその院を説明したのかまで分かって、初めて手を入れる場所が決まります。

2026年9月、都内の美容クリニックについて5つの質問をChatGPT・Claude・GeminiにWeb検索を有効にして投げました。挙がったのは92院・紹介文109件。そのうちAIが院名にリンクを添えていたのが55件です。この55件を分類しました。

どの質問で何が語られたかは美容クリニックのLLMO対策にまとめています。この記事は、そこから出典の部分だけを取り出したものです。

その前に1つ。サイトが検索用のAIクローラーをブロックしていると、ここから先の話は成立しません。学習用のボットと検索用のボットが分かれている点も含めて、別の記事にまとめています。

ChatGPTは20件すべて公式サイト、Claudeは半分がまとめ記事

まず全体です。55件を、AIごとに分けました。

AIリンク件数各院の公式サイト他院もまとめた記事ポータル
ChatGPT20件20件(100%)0件0件
Claude16件8件(50%)8件0件
Gemini19件15件(79%)0件4件

出典:AGEO-SCOPE実測(2026年9月、都内の美容クリニック、5問×3AI、Web検索を有効化)。院名に添えられたリンク55件を分類。

ChatGPTは、挙げた院すべてについてその院自身のサイトを見ていました。自院サイトを整える施策が、そのまま効く相手です。

Claudeは半分が違いました。各院のサイトではなく、複数の院を並べて紹介している記事を読んで、そこに載っている院を列挙しています。自院サイトをどれだけ整えても、その記事に載っていなければ届きません。

Geminiは8割が公式サイトですが、残りは医療系のポータルでした。

同じ業種なのに、打ち手が分かれる

3つのAIを「AI検索」とひとまとめにすると、この差が消えます。ChatGPT向けの施策とClaude向けの施策は、やることが別です。

そして相談者がどのAIを開くかは、こちらでは選べません。

Claudeが挙げた5院は、1本のコラム記事から出ていた

Claudeの8件を開くと、中身がはっきりしていました。

「都内で二重整形が上手い医師がいるクリニックは?」という質問に対して、Claudeは5つの院を挙げました。その5院すべてに、同じ1本のURLが貼られていました。美容医療のコラム記事で、東京の二重整形について複数の院と医師を並べて紹介しているページです。

そこで語られていた紹介文が、これです。

Claudeが添えた紹介文(抜粋)

  • 「症例数の多さと全国展開による安心感があり、埋没法29,800円〜と幅広い価格帯が魅力です」
  • 「埋没法9,790円〜と業界最安水準の料金設定が特徴で、できるだけ費用を抑えたい方におすすめです」
  • 「◯◯医師や△△医師が二重埋没の名医として評価されています」
  • 「2006年の開院から約20年の歴史を持つ美容外科グループで、明朗会計を掲げています」

価格、医師名、開院年、症例数。いずれも、そのコラム記事に書かれていた内容です。各院が自院サイトで何と書いているかではありません。

つまりこの質問では、「そのコラム記事に載っているかどうか」が、Claudeに挙がるかどうかを決めていたことになります。

業種を問わず起きている現象です。7業種でリンク450件を分類したときにも、他社のサイトが別の会社の紹介に使われていた例が出ていました。複数の事業者を並べて説明しているページは、AIにとって情報源として使いやすいのだと考えられます。ただし、これは観察からの推測です。

LLMO対策の一歩目に、分析から改善提案まで

AGEO-SCOPEは、AIが返した回答を原文のまま記録し、どの質問で自院が挙がったか、何と説明され、どこにリンクされていたかまで残します。そのうえで、次に手を入れる場所を根拠つきで提案します。

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別の3院には、無関係な院のページが貼られていた

もう1つ、同じClaudeの8件の中にありました。

「都内で無理な勧誘がない、相談しやすい美容クリニックは?」という質問です。Claudeは3つの院を挙げましたが、その3院すべてに貼られていたのは、まったく別の1院の、院紹介ページでした。挙げられた3院とは関係のない院です。

相談者がこの回答を見て、気になった院名の横のリンクを押すと、別の院のページに着きます。

※ 無関係の院のため、URLは伏せています。

AIが挙げた名前と、添えたURLがずれる現象は他の業種でも出ています。注文住宅では、7社の名前に別業種・別県の会社のURLがまとめて貼られていました。不動産では、ある大手ポータルの名前に別のポータルのドメインが貼られていた例もあります。

名前が挙がったかどうかだけを見ていると、この種のずれは見つかりません。何と説明され、どこにリンクされていたかまで残して初めて分かります。

不動産と違い、Googleマップは0件だった

業種による差も書いておきます。同じ手法で不動産を調べたときは、AIが添えたリンク68件のうち28件がGoogleマップでした。ChatGPTに限れば6割です。

美容クリニックは0件でした。55件のうち、Googleマップへのリンクは1件もありません。

業種公式サイトGoogleマップ
美容クリニック(都内)78%0件
不動産(世田谷区)34%28件

どちらも地域で探される業種ですが、AIが見ている場所は逆でした。MEOの資産がそのまま効く業種と、そうでない業種があります。美容クリニックは後者で、自院サイトと、他院をまとめた記事のほうに比重があります。

業種ごとの違いは450件を分類した記事にまとめました。

AIごとに、手を入れる場所が変わる

今回の55件から言えることに絞ります。

ChatGPT向け:自院サイトの記述がそのまま効く

20件すべてが自院の公式サイトでした。紹介文に使われていたのは、施術名、使用機器、医師名、症例数、カウンセリング体制です。これらが自院サイトに検証できる形で書かれているかが、そのまま結果に出ます。

どの質問で何が引かれていたかはこちらの記事に質問別でまとめています。

Claude向け:まとめ記事に載っているか

自院サイトだけでは届きません。自院の施術領域について、複数の院を並べて紹介している記事が存在するか、そこに自院が入っているかを確認します。

ただし、載せてもらえば挙がるという因果は確かめていません。今回分かったのは「Claudeがそういう記事を読んでいた」という事実までです。掲載交渉や広告出稿の判断材料にする前に、自院の施術領域でどのページが読まれているかを先に測ることをおすすめします。

Gemini向け:医療系ポータルの掲載情報

19件のうち4件が医療系のポータルでした。すでに掲載しているなら、院紹介欄が空欄や定型文のままになっていないかを確認してください。

引用された表現は、そのまま使えるとは限らない

紹介文には施術の価格や「名医」といった表現が、記事からそのまま引かれていました。ただしこれは「AIがそう引用していた」という事実であって、自院サイトに同じ表現を書いてよいという話ではありません。

医療広告には表示上の決まりがあり、何をどう書けるかは院の状況によって変わります。自院サイトの記述を変える際は、医療広告ガイドラインの範囲内かどうかを、院内または専門家にご確認ください。この記事では、その判断には踏み込みません。

この計測で言えないこと

よくある質問

自院のサイトを整えれば、AIに挙がるようになりますか?

AIによります。今回の計測では、ChatGPTが院名に添えたリンク20件はすべて各院の公式サイトでした。この相手には自院サイトの記述がそのまま効きます。一方Claudeは16件のうち8件が、複数の院を並べて紹介している記事でした。自院サイトを整えても、その記事に載っていなければ届きにくいことになります。3つを別々に見る必要があります。

美容クリニックでもMEO(Googleマップ)対策はAI検索に効きますか?

今回の計測では確認できませんでした。美容クリニックの55件のうち、Googleマップへのリンクは0件です。同じ手法で調べた不動産では68件中28件がGoogleマップだったので、業種によってかなり違います。MEO自体が無意味という話ではなく、AIの回答に自院名が出るかどうかという範囲では効いていなかった、ということです。

他院を比較しているまとめ記事に掲載してもらえば、AIに出ますか?

確かめていません。今回分かったのは、Claudeがそうした記事を読んで、そこに載っている院を列挙していたという事実までです。掲載すれば挙がるという因果は検証していないので、掲載交渉や出稿を決める前に、自院の施術領域でどのページが読まれているかを先に測ることをおすすめします。

AIが貼ったリンクが間違っていることはありますか?

あります。今回の計測では、Claudeが挙げた3院すべてに、まったく別の院の院紹介ページが貼られていました。相談者がその院名の横のリンクを押すと、別の院のページに着きます。名前が挙がったかどうかだけを見ていると気づけないので、リンク先まで記録する必要があります。

AIの紹介文に価格や「名医」と書かれていました。自院サイトにも同じように書いていいですか?

この記事では判断しません。計測で分かったのは、AIが引用していた記事にそうした表現が含まれていたという事実だけです。医療広告には表示上の決まりがあり、何をどう書けるかは院の状況によって変わります。自院サイトの記述を変える際は、医療広告ガイドラインの範囲内かどうかを院内または専門家にご確認ください。