業種別・人材/採用支援

人材・採用のLLMO対策・AIは1本の記事から6社を挙げていた。外部サイト24件のうち20件が、5本の記事に集中していました

2026年10月30日公開 執筆:GENTA

AIが会社名を挙げるとき、どこを読んでいるのか。人材・採用の計測で集まった出典82件を分類したところ、外部サイトへのリンク24件のうち20件が、たった5本の記事から出ていました。

しかも1つの質問で、Geminiは2本の記事を読み、片方からは質問と違うカテゴリの会社が並んでいました。

目次

  1. 人材・採用のLLMO対策で、出典を見る理由
  2. ChatGPTとGeminiで、外部サイトの使い方が逆だった
  3. 1つの質問で、Geminiは2本の記事を読んでいた
  4. 片方の記事からは、個人向けのサービスが並んだ
  5. もう片方からは、地場の5社が挙がっていた
  6. ここから何をするか
  7. この計測で言えないこと
  8. よくある質問

人材・採用のLLMO対策で、出典を見る理由

LLMO対策(AI検索対策・AIO対策とも呼ばれます)とは、AIに相談されたときに自社の名前が挙がり、正しく紹介されるようにする取り組みです。

名前が挙がったかどうかだけを見ていると、次に何をすればいいかが決まりません。AIがどこを読んでその会社を説明したのかまで分かって、初めて手を入れる場所が決まります。

2026年8〜9月、採用代行・人材紹介について7種類の質問をChatGPT・Claude・GeminiにWeb検索を有効にして投げました。挙がった会社に添えられたリンクは82件です。

AIリンク件数各社の公式サイト外部サイト
ChatGPT22件18件4件
Claude17件11件6件
Gemini43件29件14件

出典:AGEO-SCOPE実測(2026年8〜9月、採用代行・人材紹介、7問×3AI、Web検索を有効化)。会社名に添えられたリンク82件を分類。

どの会社が挙がったかという結果そのものは採用代行・人材紹介のLLMO対策にまとめています。この記事は、そこから出典の部分だけを取り出したものです。

その前に1つ。サイトが検索用のAIクローラーをブロックしていると、ここから先の話は成立しません。学習用のボットと検索用のボットが分かれている点も含めて、こちらの記事にまとめています。

ChatGPTとGeminiで、外部サイトの使い方が逆だった

外部サイトへのリンクは24件でした。この24件が、何本の記事から出ていたかを数えます。

AI外部リンク引用元の記事数1本あたり
ChatGPT4件4本1.0社
Claude6件2本3.0社
Gemini14件3本4.7社

ChatGPTの4件は、すべて別々のサイトでした。1つの会社につき1つのサイトを読んでいます。

Geminiは違いました。14件がわずか3本の記事から出ています。最も多い1本からは6社がまとめて挙がりました。複数の会社を並べて紹介している記事を読み、そこに載っている会社を列挙しているということです。

同じ業種なのに、打ち手が分かれる

ChatGPTに挙がるには、自社サイトの情報が整っていることが効きます。

Geminiに挙がるには、そのまとめ記事に載っているかどうかのほうが効く可能性があります。自社サイトをどれだけ直しても、記事に載っていなければ届きません。

そして相談者がどのAIを開くかは、こちらでは選べません。

美容クリニックでも同じ構造が出ていました。あちらはChatGPTが公式サイト100%、Claudeが半分まとめ記事という分かれ方です(AIごとに見ている場所が違った。)。

1つの質問で、Geminiは2本の記事を読んでいた

Geminiの14件を質問ごとに割ると、1問に集中していました。

「名古屋で採用支援を頼めるおすすめの会社は?」。この1問だけで、外部サイトへのリンクが11件出ています。企業の採用担当者が、採用業務を委託する先を探している想定の質問です。

そして引用元は2本でした。1本から6社、もう1本から5社です。

引用元挙がった会社中身
記事A6社全国規模の転職エージェント
記事B5社名古屋の採用支援会社

同じ質問に答えるのに、性質のまったく違う2本の記事を読んでいました。順に見ます。

LLMO対策の一歩目に、分析から改善提案まで

AGEO-SCOPEは、AIが返した回答を原文のまま記録し、どの質問で自社が挙がったか、何と説明され、どこにリンクされていたかまで残します。そのうえで、次に手を入れる場所を根拠つきで提案します。

資料をダウンロード

片方の記事からは、個人向けのサービスが並んだ

記事Aから挙がった6社がこれです。

いずれも個人が転職するときに使うサービスです。質問は「企業が採用支援を頼める会社」でした。頼む側と、頼まれる側が入れ替わっています。

AIが嘘をついたわけではありません。名古屋の転職エージェントを並べた記事を読み、そこに書かれていた会社を挙げただけです。読んだ記事が、質問とは別の読者に向けて書かれていたということです。

既存の計測とつながる

同じ計測で、個人向けの質問では大手が87%、企業向けの質問では14%という差が出ていました(採用代行・人材紹介のLLMO対策)。

今回の11件は、その差がどう生まれるかを示しています。企業向けの質問であっても、AIが個人向けのまとめ記事を読めば、回答には大手が並びます。質問の向きではなく、読まれた記事の向きで決まっていました。

ただしこれは1問から観察したことで、因果までは確かめていません。

もう片方からは、地場の5社が挙がっていた

記事Bから挙がった5社は、全国的な知名度のある社名ではありませんでした。名古屋で採用支援を手がけている個別の会社です。質問の意図に合っています。

※ 個別企業のため、社名と引用元のURLは伏せています。

ここが、規模の大きくない会社にとっての手がかりになります。

地方で地場の会社に定位置がある、という傾向は別のエリアでも出ています。福岡で計測したときには、3つのAIすべてに挙がった会社が1社ありました。

ここから何をするか

今回の82件から言えることに絞ります。

1. 自社の領域で、どの記事が読まれているかを調べる

最初にやることは、記事に載せてもらう交渉ではありません。自社の業務とエリアの質問で、AIが実際にどのページを読んでいるかを見ることです。

今回のように、1本の記事が5社も6社も生んでいることがあります。その記事が特定できれば、手の打ちようがあります。特定しないまま媒体に出稿しても、AIがそこを読んでいなければ意味がありません。

2. 質問を、企業向けと個人向けに分けて測る

「採用支援を頼める会社」と「おすすめの転職エージェント」は、読者が逆です。ところがAIは、企業向けの質問に個人向けの記事を使うことがありました。

どちらの質問で挙がっているのかを分けて記録しないと、自社がどの土俵にいるのか分かりません。

3. ChatGPTとGeminiを別々に見る

ChatGPTは1件1サイト、Geminiは1本から4.7社でした。自社サイトを整える施策が効く相手と、記事に載ることが効く相手が分かれています。

そのうえで、1回ではなく続けて測ることになります。7週間・120回の定点観測では、週ごとの数字を見ているだけでは何も起きていないように見え、質問ごとに分けたときに動きが出ていました。

この計測で言えないこと

よくある質問

自社サイトを整えれば、AIに挙がるようになりますか?

AIによります。今回の計測では、ChatGPTが会社に添えたリンク22件のうち18件が各社の公式サイトで、外部サイトは4件、しかもすべて別々のサイトでした。この相手には自社サイトの情報が効きます。一方Geminiは外部リンク14件がわずか3本の記事から出ており、1本から6社が挙がった例もありました。自社サイトだけでは届きにくいことになります。

比較記事やまとめ記事に掲載してもらえば、AIに出ますか?

確かめていません。分かったのは、Geminiがそうした記事を読んで、そこに載っている会社を列挙していたという事実までです。掲載すれば挙がるという因果は検証していないので、出稿や掲載交渉を決める前に、自社の業務とエリアの質問でどのページが読まれているかを先に測ることをおすすめします。

企業向けの質問なのに、個人向けの転職エージェントが挙がるのはなぜですか?

理由は分かりません。観察できたのは、「名古屋で採用支援を頼めるおすすめの会社は?」という企業向けの質問に対して、Geminiが個人向けの転職エージェントを並べた記事を読み、そこに載っていた6社を挙げていたという事実です。同じ計測では、個人向けの質問で大手が87%、企業向けで14%という差も出ています。質問の向きではなく、読まれた記事の向きで結果が決まっていた可能性があります。

規模の小さい会社でも、AIの回答に入れますか?

今回は入っていました。同じ質問から、全国的な知名度のない名古屋の採用支援会社5社が、1本の記事経由で挙がっています。ただしその5社は同じ1本の記事から出ているので、その記事に載っているかどうかが分かれ目になっていた、とも読めます。掲載が原因かどうかは検証していません。