REPORT / 2026.10 千葉市・さいたま市

AIに「おすすめの工務店は?」と聞くと、
大手は1社も出てきませんでした。
ただし、1つの質問を除いて。

千葉市とさいたま市で、注文住宅に関する5つの質問をChatGPT・Claude・Geminiに投げ、挙がった会社を記録しました。5問のうち4問は、全国規模のハウスメーカーが1社も登場しません。顔ぶれが変わったのは、予算を聞いた1問だけでした。

質問ごとに、全国規模のハウスメーカーが挙がった件数 4問はゼロ。予算を聞いた1問だけ、大手が入ってきました
ハウスメーカーより工務店に頼みたい。評判の良い地元の工務店は?
千葉0/ 22件
さいたま0/ 27件
注文住宅を建てたい。おすすめの工務店は?
千葉0/ 26件
さいたま0/ 22件
断熱性や耐震性など、住宅性能が高い家を建てられる工務店は?
千葉0/ 21件
さいたま0/ 21件
自然素材や木の家が得意な工務店は?
千葉0/ 20件
さいたま0/ 18件
予算3,000万円前後で注文住宅を建てられる工務店は?
千葉4/ 22件
さいたま6/ 19件
性能・自然素材・「ハウスメーカーではなく工務店に」という相談では、2つの市のどちらでも大手はゼロ。金額を基準に聞かれたときだけ、土俵が変わりました。
調査対象
ChatGPT / Claude / Gemini
質問
5問 × 3AI × 2エリア = 30回
登場した会社
のべ218件(千葉82社・さいたま67社)
条件
3AIともWeb検索を有効化
所見 01

金額を聞いた瞬間、相手が入れ替わります。

5つの質問のうち4つでは、挙がったのが地域の工務店・設計事務所だけでした。テレビCMでおなじみの全国規模のハウスメーカーは、千葉でもさいたまでも1社も登場していません。

ところが「予算3,000万円前後で」と金額を入れた質問だけ、結果が変わりました。千葉では22件中4件、さいたまでは19件中6件が全国規模のハウスメーカーです。質問文には「工務店」と書いてあるにもかかわらず、です。

読み取れること。金額を基準に相談されると、AIは「その価格帯で建てられる会社」として大手を持ち出します。工務店にとって、価格で比較される質問は相手の土俵だということです。逆に、性能・自然素材・「ハウスメーカーではなく工務店に頼みたい」という相談は、地域の会社がほぼ独占していました。

※ 別々の県で同じ傾向が出たため、1回かぎりの偶然ではないと考えています。ただし各エリアとも1回分の計測です。

所見 02

評判を聞かれると、AIはGoogle口コミを読み上げます。

「ハウスメーカーより工務店に頼みたい。評判の良い地元の工務店は?」への回答です。千葉では、返ってきた紹介文22件のほとんどが同じ形をしていました。

「Google口コミ評価5.0で、63件の口コミがあります」 「Google口コミ評価4.9で、37件の口コミがあります」 「Google口コミ評価4.8で、232件の口コミがあります」

点数だけでなく、口コミの件数まで読み上げられています。紹介文全体で「口コミ」が21回、「評価」が29回。さいたまでも同じ質問で「Google口コミで平均評価5.0」「Houzzで5つ星評価」という紹介文が並びました。

つまり、こういうことです

評判をたずねる相談に対して、AIは自社サイトの文章ではなくGoogleビジネスプロフィールの数字を見ています。口コミの点数と件数が、そのまま紹介文の中身になっていました。サイトに「丁寧な対応が評判です」と書いても、この質問には届きません。

所見 03

性能の相談では、工法名と等級が通貨になっていました。

「断熱性や耐震性など、住宅性能が高い家を建てられる工務店は?」への紹介文には、固有の規格名がぎっしり並びます。

千葉市

耐震等級3/通気断熱WB工法/テクノストラクチャー工法/現場発泡ウレタンフォーム/樹脂サッシ/制振装置

さいたま市

BELS★★★★★/断熱等級6.5/HEAT20 G2/スーパーウォール工法/ZEH/認定低炭素住宅/長期優良住宅

2つの市で紹介文を合わせると、「断熱」が56回、「耐震」が40回、「高気密」「高断熱」が54回。「高性能な家づくり」という表現ではなく、等級と工法の名前が引用されていました。

自然素材をたずねた質問でも同じです。「無垢材をふんだんに使用し、漆喰や薩摩中霧島壁などの天然素材を」「地元の西川材を使用」「千葉の地で育まれた木材を活かし」。どの素材か、どの産地かが書かれている会社が拾われていました。

所見 04

3つのAIすべてに挙がったのは、各エリア3社だけでした。

ChatGPT・Claude・Geminiは、同じ質問でも別々の会社を挙げます。3つすべてに名前が出た会社は、千葉で82社中3社、さいたまで67社中3社でした。

エリア挙がった会社3つのAI共通2つ以上
千葉市82社3社12社
さいたま市67社3社10社

社名は伏せますが、両エリアとも共通する特徴がありました。木や自然素材を社名や打ち出しの中心に置いている会社が目立ちます。千葉では地域名と「木」を組み合わせた工務店や、木の住まいを社名に掲げる会社。さいたまでは無垢材を社名に冠した設計事務所系の工務店です。

他の業種と比べると、この比率は低くありません。都内の美容クリニックでは92院のうち3つのAI共通が0院、世田谷区の不動産会社では118社のうち2社でした。注文住宅は、常連ができはじめている段階に見えます。

所見 05

同じ質問・4日違いで、ChatGPTの出典が消えました。

AIが会社名にリンクを添えるかどうかも調べました。ここで、予想していなかった結果が出ています。

千葉市(10月15日)

0%

ChatGPTは27社を挙げながら、1件もリンクを添えませんでした(32件中0件)

さいたま市(10月11日)

52%

同じ質問構成で、31件中16件にリンクが付いていました

さらに、7月に世田谷区の不動産会社を計測したときは、ChatGPTが挙げた47件のすべてにリンクが付いていました。100%、52%、0%です。

ここから言えること。「このAIは必ず出典を付ける」という性格があるわけではありません。業種でも、エリアでも、計測した日でも変わります。1回の結果でAIの挙動を決めつけないほうがよい、ということです。

参考:全体では、千葉が103件中20件(19%)、さいたまが101件中41件(41%)にリンクが付いていました。Claudeは両エリアとも2割前後、Geminiは33%と49%です。

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次にやることまでお出しします。

今回のように、聞かれ方ひとつで挙がる会社は変わります。どの相談で御社が挙がっていて、どこが空いているのか。毎週の数字で確かめられます。

1. 毎週、3つのAIで自動計測御社のエリアと得意分野に合わせた質問を設定し、Web検索を有効にした、相談者と同じ条件で計測します。操作は必要ありません。
2. 競合と並べて分析同じエリアの会社と横並びで比較。どの質問で勝てていて、どこが空いているかが見えます。
3. 根拠つきの改善提案上位の会社の紹介文と御社サイトを突き合わせ、書き足すべき内容を優先度つきで提案します。
4. 直ったかどうかを追跡施策を実行したあと、AIの回答が実際に変わったのか。前後の数字が並んで初めて見える部分です。
このレポートは、各エリア1回ずつの計測です。
1回では、実力なのか偶然なのかが分かりません。
どの質問で挙がっているのか。何を書けば載るのか。毎週の数字で確かめられます。

このレポートを書いた人

GENTA

AGEO-SCOPE 運営者/LLMO・GEOアナリスト

Webマーケティング歴12年、300社以上のWeb戦略支援に携わる。現在はChatGPT・Claude・Geminiに業種ごとの質問を投げ、回答に挙がる会社を実測・分析している。計測データと失敗談をXで毎日発信中。

X:@genta_geo

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